Tactoo

オッペンハイマーのTactooのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
5.0
待ちに待ちに待ちに待ってた。没頭。圧巻。なす術のない運命に。神でもない人間がもたらす新世界幕開けの目撃者になり息が止まる。
どうもこうもできたような愚かさであり、どうしようもなくなった力に涙が出る。残酷に美しい。しんどすぎる。微小で無数の原子をいとも手の内のように扱っているけど、原子レベルに手の平で転がって見えてないのはむしろ人間。

恐怖は知ることで終えるいう見解だが、恐怖は図らずも脅威に。脅威は脅威であり続けた。知的好奇心や純粋さは無惨にも利用されたが、誰かがの策略でもない。政治というか、国というか、、。何かどこかおかしくなってることに誰かが気づかなければ。声を上げなければ。

戦後、彼はそういう意味合いで人間を原子レベルに理解し、広く世界の仕組みとその未来に失望したようだった。

本当にどういう意図があって公開の懸念があったかが理解できない。被爆国である当事者なら尚更。今になって目を背ける立場ではない。逆に推し出していくべきこと。実際のシーンがなくても、言葉が出てくるだけで重みの受け取り方がだいぶ違った。

この映画が存在しなければ、オッペンハイマーという人物は知ることがなかっただろう。
本当に有意義だと思えた。もっと知らないことは知らなければ。存在させなければ。
Tactoo

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