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オッペンハイマーの見てるのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
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一生チャカチャカしててすごかった
一生音楽鳴ってた

時系列が細かく前後しさまざまなことを語るオープニングから「これは説明のくだりなのかな」と思ったら、まさかのそのままの勢い、トーンでエンディングまで走り切るという、びっくりするほど思い切った作りの映画でおどろいた。

ノーランのチャカチャカした演出あんま好みじゃないんだけど今回は徹頭徹尾ずっとそれが通底しており、伝記ものかつ三時間という長尺がまったく長く感じなかった。何が起こってるのかあんま把握できなくてもおもしろくみれたので、それはテンポの成せるわざかとおもう。

基本的にチャカチャカの人であるスコセッシ師匠のキラーズ・オブ・ザ・フラワームーンとは好対照であり、わりと腰を据えてどっしり進行していくキラーズに比べるとオッペンハイマーは「おれにはこれしかないんじゃ」という感じで短距離のペースで三時間爆走するかのような映画だった。でも、ふつうに面白かったです。たぶん「上手」とか「よく出来てる」とかではないと思うんだけど、力強いし、おもしろい映画だったな。

日本描写云々に関しては、似たテーマを取り扱った「風立ちぬ」でも被侵略国側の描写ってアレな感じだったにもかからわらず同様の批判がほとんど見られなかったわけで、まあポジショントークでしかないとおもうな。どこから見るかで戦争は姿を変えて、この映画ではオッペンハイマーの目から戦争を見る、ということですね。
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