しず

オッペンハイマーのしずのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.0
初めてIMAXフルサイズで見てきた。

自分の知識・理解不足であったり、モチーフとかではなく核そのものを描いてるから、容易に点数は付けられないけど、4点以下は無いなと率直に思ったのでこの点数にした。

物語は徹底してオッペンハイマーの苦悩が描かれるけど、決して彼を全肯定する内容でもないし、全否定する内容でもない。アメリカでは、戦争を終わらせて平和に導いた救世主のように称えられる反面、原爆を開発してしまった罪の意識から、幻覚を見たり、本人は手が血で染ってしまった、世界を破壊してしまったとも言っていて、両極の葛藤が脅威的に描かれている。仮にもし自分だったらと考えると、本当に恐ろしい。

トリニティ実験のシーンでは、開発に成功した時に、科学者たちが喜んでるのを見て、得体の知れない涙が出た。後にも先にもこんな涙は流れないことを願う。

戦後約80年経って、人々から戦争や核という言葉の意味が薄れてきた現代に、日本を含む世界中でこの作品が公開されることは、今後の未来においてとても大きな意義のあることだと思います。
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