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オッペンハイマーのEDDIEのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.4
音響の海に溺れる怪作。人は何故“炎”という武器を手に入れたか。その脅威と対峙し自責の念に潰される開発者。男の苦しみはつゆ知らず糾弾し続ける政府関係者。大事なのはこの映画を観て何を思うか。第一号が現れれば追従者が出るのは自明なのだろう。

X(Twitter)に書いたことをそのまま貼り付けますが、もう今回感じたのは下記のとおりです。

『オッペンハイマー』は言うほど難解ではありません。TLでも“難解”の言葉が一人歩きしていますが、映画という一つの作品、物語と考えるとシンプルこの上ないです。
もちろん細部まで理解しようとすると歴史的背景や人物について調べる必要がありますが、それは作品をより深く楽しむためのプラスアルファかなと。
今作はAという事象が起きて、その後時系列バラバラで描き、最終的にAの真実に辿り着く。とてもシンプルな構成です。
だからこそ、時系列をバラバラに描く意味があるということ。

同監督作品で比較すると『テネット』よりもわかりやすいですね。
「テネット」は主人公と同じ視点で何が起きているかわからないところに放り込まれる追体験型RPGみたいなもの。
一方、『オッペンハイマー』は出来事Aを様々な角度から検証する内容。時系列バラバラだからと惑わされなくても良いかなと感じました。

あと180分の長尺でも個人的には体感時間はさほど長くなく、おそらく編集の見事な仕事っぷりが作用しているのでしょう。
編集の巧みな180分か、冗長な160分であれば前者の方が体感時間は短いです。
もちろん個人の感じ方の話ですが。

とにかく作品としては素晴らしいことこの上ないというのが感想で、今一度音響の良い劇場でリピートしたいのが本心。
次はIMAXかドルビーシネマで観たいですね。

〈キャスト〉
J・ロバート・オッペンハイマー(キリアン・マーフィー)
キャサリン・“キティ”・オッペンハイマー(エミリー・ブラント)
レズリー・グローヴス(マット・デイモン)
ジーン・タトロック(フローレンス・ピュー)
ルイス・ストローズ(ロバート・ダウニー・Jr.)
イジドール・ラビ(デヴィッド・クラムホルツ)
アーネスト・ローレンス(ジョシュ・ハートネット)
ジョヴァンニ・ロッシ・ロマニッツ(ジョシュ・ザッカーマン)
フランク・オッペンハイマー(ディラン・アーノルド)
ジャッキー・オッペンハイマー(エマ・デュモン)
エドワード・テラー(ベニー・サフディ)
ロバート・サーバー(マイケル・アンガラノ)
ケネス・ベインブリッジ(ジョシュ・ペック)
ハンス・ベーテ(グスタフ・スカルスガルド)
セス・ネッダーマイヤー(デヴォン・ボスティック)
リチャード・P・ファインマン(ジャック・クエイド)
エドワード・コンドン(オーリー・ハースキヴィ)
リチャード・トルマン(トム・ジェンキンス)
ルース・トルマン(ルイーズ・ロンバード)
クラウス・フックス(クリストファー・デナム)
ドナルド・ホルニグ(デヴィッド・リスダール)
フィリップ・モリソン(ハリソン・ギルバートソン)
ルイス・ウォルター・アルヴァレズ(アレックス・ウルフ)
ジョージ・キスチャコフスキー(トロンド・ファウサ・アウルヴォーグ)
アルベルト・アインシュタイン(トム・コンティ)
ニールス・ボーア(ケネス・ブラナー)
パトリック・ブラケット(ジェームズ・ダーシー)
ヴェルナー・ハイゼンベルク(マティアス・シュヴァイクホファー)
ヴァネヴァー・ブッシュ(マシュー・モディーン)
ボリス・パッシュ(ケイシー・アフレック)
ケネス・ニコルス中佐(デイン・デハーン)
ウィリアム・ボーデン(デヴィッド・ダストマルチャン)
ロージャー・ロッブ(ジェイソン・クラーク)
ハーコン・シュヴァリエ(ジェファーソン・ホール)
ストローズの側近(オールデン・エアエンライク)
公聴会の弁護士(スコット・グライムス)
ロイド・ギャリソン(メイコン・ブレア)
ジョージ・エルテントン(ガイ・バーネット)
ゴードン・グレイ(トニー・ゴールドウィン)
クルト・ゲーデル(ジェームズ・アーバニアク)
エンリコ・フェルミ(ダニー・デフェラーリ)
デヴィッド・L・ヒル(ラミ・マレック)
レオ・シラード(マテ・ハウマン)
ヘンリー・スティムソン(ジェームズ・レマー)
ハリー・S・トルーマン大統領(ゲイリー・オールドマン)

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※2024年劇場鑑賞46本目
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