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オッペンハイマーのSetoKCのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

前置きとしてこの作品は決して原爆賛美、戦争賛美をしている作品ではなく、オッペンハイマーという1人の男の生涯を描いていて、その過程で原爆が登場して原爆によりオッペンハイマーがどう思ったのかを見る作品であることを伝えておきます。
オッペンハイマーという男がどういった人かはほとんど知りませんでした。『原爆の父』と言われてるくらいにしか知識はありませんでしたが今回の映画を見てオッペンハイマーが思っていた人物像とはかけ離れてて驚きました。女癖がひどかったり左翼的思想の人と関わりがあるなど。伝記的作品であるからおそらく史実ではあるでしょうがびっくりしました。
物語全体としては難解な内容になっており、あまり聞き馴染みのない単語や原爆実験以外にも様々な出来事が描かれていたり、登場人物が多かったり、ノーランらしい時系列がいじられていたりなどとにかく頭を働かせて見ていました。歴史的背景や登場人物についてもう少し詳しく勉強しておくんだったと少し後悔しています。原爆投下後にオッペンハイマーが黒焦げの死体を踏んだり、被爆した人の姿が見えるという幻覚のようなものが見えたり、大統領に手が血塗られた感覚にあると言ったりと、最初は戦争を止める為に作ったものが次第に作ってはならなかったのではないかと後悔し始めるという展開が表現の仕方といい表情といい見ているこちら側に悲しさがひしひしと伝わってきました。
ノーラン監督にしか作ることができないであろう本作を劇場で見れてとても嬉しかったです。
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