ノーラン作品の素晴らしさは、ラストシーンへの収束過程に現れる。今回も御多分に洩れず、オッペンハイマーの人徳とアインシュタインの慧眼、そして世界の現実と末路が混ざり合った美しくも悲嘆的な素晴らしい出来であった。
前評判にあった原爆軽視、戦争軽視的な要素は薄く、インプレッションを稼ぎたいだけのネット人が悪用したのか、それとも読み取る力がない人間が騒いでいただけなのか知るところではないが、日本人にこそ観てもらいたい戦争史実作品に仕上がっている。多少の前提知識は必要ですが、世界史の勉強がてらに是非IMAX劇場でご覧くださいな。