オッペンハイマーのなつミンのネタバレレビュー・内容・結末

音響で”物理的に”振動させられて、口があんぐり。様々なアングルから語られる予言者たるオッペンハイマーの、自らの破滅が”予言”される。


技術は不可侵を侵し、”偶然に”不知火を発す。確率に迷いこんだ科学者は、確実を信じた科学者に破滅を示唆される。レールを作ろうと欲し、作った彼に行先は分からない。

この映画が、実験成功を喜ぶ描写を多少なりとも含んでいることは、この映画をキャンセルする理由にはならない。そんな自明のことが分からない人は、馬鹿か未熟者なのだが、多くの日本国民はそうではないと信じたい。
そして被曝のリアルを描かずして成立させているこの映画を、「地獄」を少なからず教えられている日本人が批判するのは完全に自由だが、ある学者を殉教者に仕立て上げて自己満足するストローズと同様に、それは無意味かもしれない。太陽に群がって焼かれる日（かなり不適切）はもうそこまで来ているかもしれない。集団の足音が耳から離れない。
死者に慰霊を。