ezoshika

オッペンハイマーのezoshikaのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

一度は観るべき娯楽映画ではない作品。
日本ではあまり知られていない第二次世界大戦中の連合国側(特にアメリカ合衆国)視点での歴史がわかる。

オッペンハイマー(キリアン・マーフィ)を含めた当時の科学者は国から研究費をもらって研究ができる代わりに、研究の産物である兵器の使い道に決定権がなく、長年の研究の末に使われてしまったのが大量破壊兵器だったという事実に対する葛藤は計り知れないと思った。

原爆実験及び計画のシーンは、直接的な惨状の描写はないが間接的に表現するのが上手く、クリストファー・ノーラン監督の凄さがわかると同時に、日本人としては顔をそむけたくなるような場面でもあった。
ただ、このシーンがあることによって反核としての映画的価値を付けているように思えた。
オッペンハイマーが水爆開発に反対したというのが終戦後の論点になっている点からもこの映画の一貫したテーマであることが伝わってきた。

YouTubeで予習動画(ツッチのムビログさんの『全員に見てほしい映画オッペンハイマー予習動画』)を見ていたおかげで難しい内容ながらも要点はつかめたと思う。
映画を本当の意味で理解するにはある程度の教養、知識がないといけないと改めて思い知らされる映画だった。
ezoshika

ezoshika