牛

オッペンハイマーの牛のレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
5.0
オッペンハイマーは原爆開発後、スパイに疑われたが、良心の呵責に苛まれていたように感じた。水爆に反対姿勢をとっていたのは原爆を開発した第一人者として名声を保ちたい訳ではなく、単に大量破壊兵器が世界で使われ、破滅することに対する懸念からなんだと思う。

後半の公聴会は、過去と現在が行き来し登場人物の視点も変わるので字幕で観たら難解だった。

最後のアインシュタインの言葉で、発明したことに対して必ず対峙する時が来ると言っていた。この言葉をオッペンハイマーは理解して、反逆者として疑われても取り調べを受け続けたのかもしれない。

アインシュタインが林の中を散歩していた場面では、「林ほど変化に富んだ場所はないと言っていた。自分自身も森を走っていくとそんな気分になる。

作品全体としてクリストファーノーランは見せ方が上手く、戦闘機に乗ってV2ロケットが飛んで行く場面をオッペンハイマーが擬似体験する場面や、トリニティ実験のカウントダウンなどハラハラさせることが多かった。

ノーラン監督の核兵器に対する懸念が垣間見えた作品だった。、
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