ほんまに180分あったんか怪しい。信じてない。そんくらいよかった。
タイムラインが洗練されてて痺れた！
複数のエピソードを並行して進めていくんだけど、今まで以上に細切れの時間は、「過去も未来も同時に存在しているはずなのに今しか生きることができない我々のドラマをどう映像化するのか？」ってことをずっとやってるように見える。
時間というものを紐解きながらもひとつの時間しか生きられない。
映画監督も科学者も同じ穴の狢よとでも言いたいのでしょうな。
一貫して「ひとりの科学者の話」だったので本当にホッとした。
ものごとを難しくややこしくしているものを剥けば、本質は純然たるただの人間だ。
美しくて愚かで悲しい。
殺すのも欺くのも裁くのも人のやることであって、科学は善悪を判じたりしないし、時間は報いを約束をしない。
科学者ってのは知りたいことがあるだけのただの人間なんよ。人間万事、塞翁が馬なんよ。
時代とか国とか関係なく、今しか生きられない我々は、その時の意識無意識の選択と確率の結果を積み重ねた中でたまたま生きている。
これほんと、今なお遺恨のある日本においてリアルタイムで劇場で観られたことが一番の恩恵かも。
監督にはこれからもサイエンスオタク映画いっぱい撮ってほしい。あほなりに勉強してついていくから！
演者が贅沢で、全員素晴らしくて感動した。これがケイシー・アフレックとラミ・マレックとゲイリー・オールドマンの正しい使い方ですみたいな出し方しやがって最高でした。RDJも当て書きなのかよ（史実の人なのに）というくらいハマり役で、これはオスカーに輝きますねという仕上がりだった。
あと、撮影！！！ホイテマ氏の受賞に完全納得のバリくそファビュラスクオリティだった。悦！
音響もね〜効果凄くて流石だったよ。緊張と恐怖の演出はやはり音だよね。
でも映画の流行らない地方の劇場では限界あるよね。未享受って感じがしてならない。
足を運べる人は、でけぇところのでけぇ設備に課金して鑑賞しなさいよね。
