OPシーンからIMAXの元取れたなと思えるほど頭にバチバチ来ました。
ノーランは今まで世界が破壊されること(or最悪の結果)を防げるかどうかのテーマを扱ってきました。
『ダークナイト』では、ハービーの復讐と2隻の船爆破ゲーム。
『インターステラー』では、地球環境によって人類種が終わる危機。
『TENET』では、世界を逆行させるアルゴリズムの起爆。
その最悪の結末を今までなんとか阻止してきた過去作品でしたが、『オッペンハイマー』では文字通り最悪の結末になります。
そしてそれがフィクションではなく、現実で起きている話なのが何より恐ろしく説得力がある。
それらの象徴として劇中では“子供”がずっと泣き叫んでいる。
被爆者の姿を想像したシーンにノーランの実の娘を起用したり、この映画に身を捧げてるのが分かる。
ロスアラモスに町を作っていく過程は、ある種映画作りにも似てるなと思った。
そう考えるとやっぱりノーランはオッペンハイマーに自分を重ねて感情移入して作ったように思える。
“アクションや派手なことは起こらないからIMAXじゃなくて良い”という意見を散見するが、当然そうは思わない。
制作陣はIMAXを正規として観られる前提で作り、その映像や音から得れる物を作品だけでなく、それは物語の見え方にも影響してくる作りにしてる。
可能な限り良い環境で観た方が良い。できればグラシネかエキスポで。
映画終わった瞬間「IMAXじゃなくても別に良かったね」みたいな声が聞こえたので書きたくなりました。
トリニティ実験のシーンでは、これは直視できないかも...と思えるほど緊迫感が凄まじかったです。
