Karen

オッペンハイマーのKarenのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.4
500年の科学の集大成がこれなのかと、何度も訪れたことがある広島や親族がフラッシュバックして所々で泣いてしまった。

実験のシーンで小さい頃から祖母、大伯父や大伯父の姉妹たちから原爆の体験談や被曝手帳を見せてもらったことを思い出しました。
ただ被爆のシーンのインパクトは弱かった。

アメリカ側の幹部が京都に新婚旅行に行ってなければ京都にも落とされたのだろうか、はたまたあの時点でヒトラーが亡くなっていなかったら原爆の犠牲国はドイツでとまっていたのだろうか。

原爆の父と呼ばれ、あれほど称賛された人に苦悩なんて無かったのだろうと勝手に考えていました。けれどもDr.オッペンハイマーの苦悩が色んなところに散りばめられていて、ノーラン風に音楽と共によく描かれていたな〜と。

最初日本で上映されないって報道された時は日本人の心がズタズタになる演出なのかなと思ったけど、実際に見てみると向こう側の意図やDr.オッペンハイマーの苦悩、当時の科学者の中にもマンハッタン計画に"No"を示した人がいたことを知れてよかった。もちろん実験が成功した時の喜び方、世間からの讃えられ方などには苛立ちや悲しさ、悔しさを感じだけれども。

ポーランドにいる時にちょうど上映されていて現地で見ようかなと悩んだけれどこれは字幕無しじゃしんどかったから日本で配給されてよかったなあと個人的には思います。

中東がどんどん物騒になってきてるし、また原爆を落とすような世の中になって欲しくないなとただただ願う。
ノーランの映画あるある、名言が何回も登場してそれもよかった。
"Now I am become Death, the destroyer of worlds"
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