すんむる

オッペンハイマーのすんむるのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

映画通に向けた映画

時間が前後するし、登場人物も多いが『市民ケーン』と似た構造になっている。
『裏切りのサーカス』よりは親切

カラー場面は、オッペンハイマーの物語
白黒と尋問はストローズによる法廷モノとして分けると、見易くなる。
1本で映画2本・3本分の密度があると言える。
ただ、オッペンハイマーの尋問は当人が知識を得る権利を拒絶される描き方だ。

また、オッペンハイマーがユダヤ人で予言者に触れる+リンゴと蛇+アインシュタインとの会話から、旧約聖書の創世記・出エジプト記・ヨシュア記・士師記・サムエル記の要素もある。
トップカットが、単神教のユダヤ人なのにプロメテウスという異国の神なのに注目するとアインシュタインの言葉がより深くなる。
オッペンハイマーは、主ではなく予言者なのだ。

アメリカ国旗をわざわざ映すのも、国家をテーマにしているのが分かる。
ストローズは、ケネディというロケット(ミサイル)の導き手に引導を渡されるのだ。

音響が良く、ダレがちなエンドクレジットも聴き入ってしまった。
是非、映画館で見て欲しい。
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