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オッペンハイマーのAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.5

マンハッタン計画を成功させ原子爆弾の父として名声を得たオッペンハイマーを、私生活は等身大のダメダメな人間として描くクリストファー・ノーラン。
オッペンハイマーの中に自分を見出して自画像として描いたのではないかと思う。
そういう意味では四、五年前から沢山作られてきた、『有名監督のな自伝的な映画』の変化型というか亜種として見える。
そのようにして見ると、クリストファー・ノーランのナルシスティックな自己憐憫を見せつけられているようで全くもって作品に乗れない。
寄りによってオッペンハイマー博士を持ち出してきて、「オスカー等の賞レースに出して評価される重厚なテーマを扱った大作」を作りたかったのか、という思いが先に立つ。
歪んでもいるし穿った見方だとは思うのだけども、たかだか千円程度の金額だとしてもお金を払って、時間を割いて(3時間もある長編映画)見たのだから好きに言う権利はある。
予習、というか毎回見ているので当然「映像の世紀 バタフライエフェクト」のオッペンハイマー回は見たしあれは良く出来ていた。(予備知識を得るには最適なのでオススメ)。




〈ゆっくり、じっくり考えている事を少しずつ書いていきます〉
アメリカ内部には、もちろん多数の保守層がいて、原子爆弾を罪として扱う事に対して尋常じゃない反発が来るのは容易に予想できるなかで、〈原子爆弾の父〉であるオッペンハイマーという人物を題材とした大作を制作した事は意義ある事だとは理解しています。filmarksスコアに僕が☆3.5としたのは殆どその点においてです。
ただ、この映画自体が優れた作品だとは全然思えなかったです。クリストファー・ノーラン作品が自分のテイストと合わない事は差し引いても。
『オッペンハイマー』におけるチャカチャカとシーンを細かく切ってみたり、時系列の入れ替える編集が苛つく
結果として説明過多だと感じる
難解だという意見もあるみたいだけど、寧ろ凄く構造は分かりやすい作品だと思う。ただそれが面白いか、好きかというとそうではない、という。

何より、原子爆弾の描写が甘い。生っちょろい。あんなもんじゃないし、原爆投下後に演説するシーンで喝采する聴衆の前で

後半にもう一人の主役のようにオッペンハイマーを執拗に追い込もうとする、ストロース。結構な尺をとって語られる彼とのシークエンス
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