このレビューはネタバレを含みます
ノーマン監督作品の中で1番楽しめた。
登場人物は一通り予習済み。人物の多さに加えて目まぐるしい展開の速さだけど問題なし。
トリニティ実験がこの映画の山場だと思うけど、そこから淡々と進む原爆投下から後悔まで、嗚咽漏れそうなほど泣いた。
この映画であの炎と爆風に晒された人々のことは描かれないからこそ、自分が学んだ記憶が蘇ってきて泣いた。
オッペンハイマーがいなくても原爆はいずれできていたとは思う。
そしてこれは伝記映画でも「科学者は罪を知った」映画だと思っている。
昨今の兵器開発における科学者の意識はどうなのか?
だからこそオッペンハイマーが目を逸らした原爆投下後のフィルムは写すべきだったと思うし、それを映さなかったのは、興行成績への配慮としか思えない。
彼が見た罪を観客にも共有するべきなのでは?
原爆の被害実態を知らない者には、偉大な科学者の栄光と没落の映画でしかないんだろうなと思ってしまう。
本当は☆4ぐらいのおもしろさだったけど、そこは大きい。
まあハリウッドからのメッセージなんて、もう期待しませんけどね(゚σA゚)