このレビューはネタバレを含みます
自分にとって日本人というアイデンティティがそれなりに強いことを思い知らされた。特に原爆投下までの2時間は途中で劇場を出ようと思うくらい嫌悪感が酷かった。
投下後のシークエンスから一気に映画の射程距離が広がったような気がする。
印象に残ったのは投下直後のオッペンハイマーを囲む会的なシーンで拍手喝采が悲鳴のように聞こえるエフェクトがかかっていた事。
トルーマンが語った、日本人は君のことなんか知ったこっちゃない、恨むのは私の事だ。というセリフがあったが、そのセリフは非常に傲慢だと思った。お前らを恨むんだよ、と。
ただ、当時の日本やドイツが先に原爆を作れていたら、間違いなく敵国へ落としていただろうし、なかなか一方を悪とは指差せないやるせなさは感じた。
劇中で、人間はありとあらゆる兵器を使わざるを得ない、というセリフがこの映画のテーマの一つなんでしょう。
アメリカが世界の半分から嫌われる理由が今回肌感として分かった。
この原爆投下のような事が今も世界中で起こっているのだろう。
