クリストファー・ノーラン監督作品
原子爆弾の開発に成功したことで「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーを題材に描いた歴史映画。
クリストファー・ノーラン監督、誰にも文句を言わせない傑作を作る。
これは賞を受賞するのも納得。
俳優陣の演技も最高。
キリアン・マーフィーはもちろん。
ロバート・ダウニー・Jrの憎まれ役。
エミリー・ブラント、フローレンス・ピューの女性陣も良かった。
どっかで聞いたことのある科学者達も多数出てきて、どんな法則を発見したのか、文系の自分にはよく分からないけど、知的好奇心をくすぐられる。
映画のテンポもよく、３時間が長く感じない。
IMAXで鑑賞しましたが、IMAXの画角とワイドな画角があり、意図された撮影の違いなんでしょうが、そこは理解できませんでした。
とにかく精神的にか体力的にか、何か削られるシンドイ映画。
音響の効果もあるのか、映画を通してずっと張り詰めた空気。
爆破など身体に響く振動。
赤ちゃんが登場しても和む要素なし。
原爆の使用と場所を決める会議。
日本の都市名が出てくる。
分かってはいても日本人としては感情を揺さぶられる。
アメリカ側からしたら、新兵器の威力を知る為の格好の機会。
10人未満で簡単に決定される。
映画で描かれるのは、主に科学者と軍人と政府官僚。
庶民には知る由もない。
どうしても現在の状況と重なってしまい、暗澹たる気分になる。
戦争拡大が危ぶまれる今、非常に生々しい。
反戦・反核の映画ではあると受け止めた。
ただ、今この時にも簡単に人を殺す決定が、新兵器の試験か？武器の在庫処分か？庶民の知り得ぬ所で行われている事、この映画の延長線の上にある事が、非常に気持ち悪く感じる。
正直に、観てよかった映画ではあるが、また観たいとは今は思えない。
