路々

オッペンハイマーの路々のネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

24.04.07 16

映像と音による描写によって、オッペンハイマーの精神的な葛藤に受け手であるわれわれも飲み込まれてしまう。
各所で爆音が流れるわけだが、心的描写であったり靴を鳴らす音であったり喝采であったりするそれらは、すべて「爆発」を想起させる。

クリストファー・ノーランえげつない。
トリニティ実験の爆発のシーンは、見ているだけなのに脂汗がでてしまうし、爆発の瞬間は無音で数分後に爆発音を流す演出はそう来たか…と思わされた。すげ~。
なるほど、これって音速と光速の差異なのか。

靴を鳴らすシーンがとても印象的で、それは人々の賞賛の音でもありつつ、問い詰めるような切迫の音でもある。

あと、オッペンハイマーって色男だったんだなァと。
聴聞会にて裸で性行為をしだす(イメージの)シーンは、端的に好きでした。個人的な理由で。

日本に住むものとしてどう捉えて良いかというのは難しく、「装置」を落とした「広島」「長崎」は記号としてしか語られないのは苦しいものがあった。トリニティ実験で喜ぶ人々の姿も。
路々

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