少なくとも、これは歴史的な出来事を矮小化するような映画ではない。とは思う。オッペンハイマーの伝記が元になっているから、彼から見える世界のあり方について、一連の出来事が世界をまったく変えたものとしうること、それらを提示する作品として受け取りたい。
たぶんわたしはノーランが映画化しなかったら、オッペンハイマーを知ることはなかったし、多くの人がそうだと思う。劇中でトルーマンに彼が言われたように、わたしたちは「アメリカ」を主語に教えられてきたから。作品を観るにあたって当時の歴史的な背景を記事、他の作品で少し勉強したけど、それらは知らなかったの連続で、できるだけ多角的な視点での歴史教育が、平和を望むわたしたちには必要なんじゃないか。
話についていくと3時間はあっという間に過ぎて、さすがだな。と思った。字幕を追う間に登場人物の表情もなんとか捉えようとして、特にオッペンハイマーの聴聞のとき、証人にピントがあたるなか、後ろで聞いているオッペンハイマーのふわっとした表情もカメラで映されていて、やっぱり彼の感情が中心にあるのだというのは変わらないんだな〜と。特に、グローヴスのとき！
キリアンさんいい役だったね〜見れば見るほど似てるし。「私たちは原爆を作った男の映画を作った。良くも悪くも、私たちはみなオッペンハイマーの世界に生きています。なので世界中の平和のために活動する人々に捧げたいと思います」あとデインくん！公式のキャストには載ってなくてどこにいるんだろう？って思ってたけど。よかった。
点数に関しては本当はつけたくないし、『ダークナイト』、『ダンケルク』には話として及ばないかなって感じもするけど、つけるならこの点数かな。って感じ。お気持ち表明になった…
