Tom

オッペンハイマーのTomのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

DVDでは一回鑑賞したが、英語字幕しかなかったため、今回の鑑賞で理解できていないところを理解することができた。
ただ、物理学的専門用語が多く、少し内容は難しくもあった。
映像美、音響、ミュージックは素晴らしく、ノーランの集大成でもあるとおもった。
クリストファーノーランは、この映画の目的は核兵器の脅威を伝え、現代世界に警鐘を鳴らしたいといっていて、原爆投下に対して肯定、賞賛する目的ではないと語っていた。
映画内では、広島への原爆投下成功のニュースを聞いたオッペンハイマー、ロスアラモスの人々などが喜び、星条旗を振るというシーンがあり、とても複雑な気分になり、涙が出てきた。
もちろん原爆への肯定ではなく、あくまで現実に起こったことを描いているだけなのだが、このシーンに関しては日本人としてとても見ていられなかった。
また、ラストシーンでは、オッペンハイマーがこの世界を破壊してしまったという内容のセリフをいって終わっていくのだが、本に核兵器の脅威を伝えたかったのなら、広島、長崎での被害の悲惨さをもっと描く必要があったのではないかと思う。
また、戦争自体が悪であり、アメリカ市民をむようなことはないが、当時のアメリカ政府は道徳的感情が著しくなかったのだなとも思う。
戦時中、政府は直接戦地に行くわけではないため、心理的に道徳感が失われるのだとも感じた。
未だなお、戦争が多く存在しているこの世の中、世界平和を祈ります。
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