はやく高等遊民になりたい

オッペンハイマーのはやく高等遊民になりたいのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
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被爆国としては何を申開きされてもうなずくことは無い前提の上で観た感想。

罪と抱き合わせにするのは「罰」ではなく「責任」。
これほどの災いをもたらしてしまった事実の前には、もはや個人への断罪も罰も虚無でしかない。それも何度が踏みとどまれるチャンスだってあったはずなのにあえて実行したのだから、その罪たるや計り知れない。それでも原爆の父が罪を背負って償っていかなければならなかったとすれば、どうすればよかったのか。
受動的に罰を受けるのではなく、能動的に世界に働きかけること(自分の人生や地位を使って兵器を抑制すること)によって責任を果たす。
それしかないしそれをちゃんとやれる人が原爆の父であって、もう起こってしまったことの後を考えられる人であって、マシだったとは思う。