ジュリアン

オッペンハイマーのジュリアンのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
5.0
圧倒的な存在感とキュレーターの強い意志を感じるファットボーイかエノラゲイを初めて見た社会科見学での記憶を思い起こさせる。アメリカの小学校に通ってた頃に訪れた戦争博物館での出来事。

その重量感はグラシネで観た本作においても同様に発揮されていて、心底スクリーンで見て良かったと感じる。自分よりでかいスクリーンに圧倒されながら映画を見るというのは長編映画を楽しむのに必須でさえある。

この映画が凄いのは、徹底してヒロイックな解釈のみ提示することを拒み、紋切り型な物語から逸脱した様々なるオッペンハイマーという意匠を描いていること。ノーランが時系列を断片化させることで一層ありていな解釈をさせないし、ずっと臨場感が持続していた。だから捉えどころがないのかもしれないが。

なんだかな、去年日本でタイムトラベルしたJKが特攻青年と恋をするなんてメロドラマが公開されて、多分に美化されてるのに比べたら立派だよと感じる。

他方で、去年の映画だったらバービーが哀れなるものが一番良かったかも。関心領域をまだ見てないのでアレだが。