おにくちゃん

オッペンハイマーのおにくちゃんのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.9
個人的にノーランに関してはダークナイトライジングがピークでそれ以前と以後で興味がかなり変わってしまった監督である。
もちろんインターステラーやダンケルク、テネットも映画館で鑑賞する位の興味はある。
それぞれ、作品ごとに楽しめたのだがプレステージやダークナイトを観た時ほどの感動はなかった。
今回は通常の映画館で鑑賞。
私は映画評論家程、IMAXカメラ撮影や画角云々もそこまで重要視していない。
ノーランへの興味が高いままであればIMAXで鑑賞していたはずなのだが。

前置きが長くなったが今作は良かった。
史実を元にしているだけあって内容も思ったよりわかりやすく、物語も楽しめた。
鑑賞前にある程度史実を確認してから臨んだのも良かったのかもしれない。

会話劇が物語の多くを占めるのだが何故か飽きなかった。
日本に関わりがある事だからというのが前提だが、構図と映像、効果音等の表現が面白かったのがその要因かもしれない。
また白黒とカラーの表現に関しては時代設定がわかりにくく混乱したがそれも結果良かったのかもしれない。
トリニティ実験のシーンは映像も含めてすごかった。
映画で描かれていなかったこの実験のその後が気になって鑑賞後に調べてみると、被害が大きくこの部分は今作で描くべき内容だと思った。

オスカーは納得だが個人的に好きな作品かと言われれば微妙。
これはインターステラー辺りから感じ始めた大作に感じる私の天邪鬼な偏見がそう思わせてるのかもしれない。
思えばスピルバーグのシンドラーのリストを観たときも監督に対して期待するのはこれじゃないと感じた。

文句は無い。