誰にも肩入れしない様に心得ながら鑑賞しました。
時間が前後するストーリーと人物の多さには振り回されつつ、しかし振り落とされまいという気持ちも含めて冒頭からくらいつくきっかけになって良かったかもと思うくらいには文句言わせない所が流石ですね。
情緒的過ぎることない演出や演技と政治的な話としての人間の醜さが原爆というものを描くにはとても良かった。
表層は事実でしかなくて、その下にある人間の醜さが本質なのだと思います。
初めから中立で見るつもりだったとはいえ、原爆の恐ろしさと、その発明に対する怒りを抱くには、私は知らないことが多すぎる気がして、アメリカが喜んだこともオッペンハイマーの苦しみも当然のものだという気がして、自分には被爆国としての当事者意識が欠けているのかもしれないとも思いました。
そういった意味でもこういった形でのエンタメ化と言うのは風化させない為に大切なんだと思います。
