オデタ

オッペンハイマーのオデタのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
2.8
映画公開より少し前にNHKのドキュメンタリー番組「映像の世紀バタフライエフェクト:マンハッタン計画 オッペンハイマーの栄光と罪」の回を観た事により、日本人なのにそれまで意識してこなかった、誰が原爆をどのような経緯で作り落とされる事になったのかを多少学んだ上で興味を持つ事となった。その上で今年度のアカデミー賞を総なめにした作品になった事もあり、必ず劇場で鑑賞する事と決めていた。

他の方々のレビューを観ると、好感持たれていて、指示率高い為に、おそらく私自身の鑑賞時の集中力や理解力、劇中に出てくる物理学や政治的なワードに対して持ち合わせている知識が少なかった事もある為か、正直難しかった。
本編は思っていた以上に公聴会的なシーンが多い上に、何よりも場面場面の場所はまだともかく圧倒的に時間軸が複雑に幾つかの過去に行ったり来たりし過ぎて、登場人物も多い上に、難しい言葉のやり取りも多く、その場面を頭で理解し切る前に、違う場所違う時間にシーンが移ってしまうので、着いていけなかったし、着いて行こうとしてる分映画を楽しむと言うよりも脳が疲弊した。

私は運良く冒頭で書いたNHKの番組を観ていた事により、前知識があったから、映画の中でわからない事だらけでも、無理やり辻褄を合わせて観る事にしたが、おそらく同様に難し過ぎて途中から疲れてしまう鑑賞者も多いのではないだろうか?

必要であり、その編集もあってのアカデミー賞の今回の結果だとは思うが、個人的にはもう少し時間の行ったり来たりは抑えて、タイムラインに極力沿って見やすい内容だったら、より総体的には鑑賞者の理解を得れたのではと思う。

公聴会的なシーンはもっと削り、もう少し原爆投下後のオッペンハイマーの苦悩や日本での事について重きを置いて欲しかった。

また日本人として、原爆実験に成功したシーンでこの映画を観た世界各国の人々がどのような心持ちでその実験成功時の場面やオッペンハイマーが賞賛されるシーンを観て感じていたのか気になります。
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