最近あまり面白い映画を撮っていないクリストファーノーランなのであまり期待せずに観たけど、まぁーやっぱりだいたいこんなものかなーという出来。役者はいいし、ロスアラモスに原爆製造の為の街を作りそこに様々な科学者を集め、実験に至るまでの展開などはなかなかなのだけど、赤狩りの時代の諮問会と戦時中の回想の往復というこの映画の構造があまり上手くいってない感がある。諮問会に絡む人物が多すぎてわかりにくいのと、「政治に翻弄される科学者の悲劇」というテーマに沿ったやりとりが繰り返されるだけで、主人公のトーンが一貫して変わらないの長く感じられるし、彼に絡む2人の女性や私怨から彼を陥れようとした男の存在などがあまり劇的に感じられず、ラストに明かされるアインシュタインとの会話も肩透かし的。音の使い方がノーランらしいのだけど、3時間同じリズムが繰り返されて途中で飽きる。要するに長すぎる。
