何回か見る必要がある
映画の仕組みとしての複雑さもあるがそれは理解できる範疇にある、背景知識が必要な複雑さがありある程度学んだうえで見るべき複雑さはあった
面白いという表現は使いたくないが見るべき作品だと思う
原爆というものよりもオッペンハイマーの共産主義やソ連との関係性に重きをおき彼の人生を振り返る会話劇
そのためか被害描写とそれに関する苦悩は軽視されてはいないが十分ではないと感じた
具体的な被害というより核なき世界を核のある世界に変えた影響に苦悩しているように見えたしその表現と演技に関しては良かった
これが今は限界なのかもしれないが
驚くほどに俳優陣とその演技は濃くつよかった、主役級の俳優が一瞬出るみたいなことが多く、間違いなく俳優の総合力の強さでは映画史でもトップクラスだろうと思う、また被害ではなく原子爆弾の仕組みや結果に関しては洋画でもトップの理解度と表現だろうとは思った
見ごたえはあるが個人的に期待していた題材とは外れていたため史実をなぞるストーリーとしての完成度や満足度はイマイチで、現代最高峰の俳優達の演技を浴びるという意味では最高のものがあった
史実の人物としての複雑さ、多面性を描けてはいたが、人間的に問題のある者が多く主軸とは関係の少ないシーンで不快になることも割とあった
