おしお

オッペンハイマーのおしおのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.5
公に面白いとは言えないけどさすがの作品だった。
ノーラン作品にしては特に捻りを感じるわけでもなく、わりと観やすい方かな~という印象。とはいえ"いつものノーラン"という感じもありつつ……
題材的なところもあるのかもしれないけど、言語化するのが難しいというか…なんか感想が上手くまとまらないなとは思った。
あとやっぱりIMAXで観たときの恩恵が大きい🥹(グラシネIMAXしか勝たん💪🏻)


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第二次世界大戦下。
アメリカで「マンハッタン計画」という極秘プロジェクトが立ち上がる。この計画に参加したJ・ロバート・オッペンハイマー博士は優秀な科学者たちを率いて世界初となる原子爆弾の実験に成功。
原子爆弾が実戦で投下され、その惨状を聞いたオッペンハイマーは深く苦悩するように。そこへいろいろな思惑が絡みーー
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内容的にはダンケルクとかTENETっぽいのかな~と思いつつ、そんなこともなく。オッペンハイマーという1人の生涯を描いていた。予備知識を特に入れずに観に行ってしまったけど、知識入れてからの方が良かったかな……
戦争映画にみえてオッペンハイマーの伝記だし、後半でのオッペンハイマーの聴聞会や公判シーンあたりでシカゴ7裁判とかを思い出した。
映画冒頭の音楽の入りでTENETっぽさを感じた🙆‍♀️(暗くて重みがありつつ不協和音的な)


キャストも相変わらず豪華でノーラン御用達といいますか。オッペンハイマーの生涯なので作品の中で登場人物が年数を重ねていくということもあり、老け顔とかの特殊メイクすご~ってなった。人によっては誰??って(思わずゲイリー探したけど、よくよくみたら大統領役だった)
個人的にはジョシュ・ハートネットが好き!
主役のキリアン・マーフィもさすがのアカデミー主演男優賞…ってなったし(対人面大丈夫かって思った&苦悩する姿がなんとも言えない良さがあった)、ロバート・ダウニー・Jrも後半できちんとうーわ嫌なやつ!ってなったし、エミリー・ブラントが聴聞会で毅然と言い返すところとかめっちゃ良かった…… さすがのマット・デイモンも良い仕事をしていらっしゃる(やっぱ年は取ったな~と思ったけど😇)


正直題材的に目を背けたくなるじゃない?
日本人なので日本視点での話は聞くけど、やっぱりアメリカ目線で見ることってなかなかないと思うんですよ。
オッペンハイマーもこうしたいと思ってつくったわけじゃなかったんだろうし、オッペンハイマーが悪いとか…そういうのじゃないんだろうなって。そもそも好きな物理学を極めたいとか広めたいっていう気持ちもあったんだろうし。それにこうなるまでに起こして(起きて)しまったことがあるわけで…… どっちが悪いとかは視点によって見方がかわるんだよな……
(とはいえノーラン監督やキリアンとかって英国人だよなって思っちゃったけども💭)

実験シーンでオッペンハイマーが「心臓に悪い」って話したところで精神的にズーンときた。
わたしからすればこんな実験をすることへの恐怖しかないんだけど(原子爆弾を準備してるシーンも爆破を待つシーンも怖い)、オッペンハイマーからすると国を背負ってるからこそ失敗できない怖さとかがあったんだろうなって。
爆発の瞬間、音、光すべてが恐怖でしかない。映画館の中は熱くないはずなのに、爆発のシーンで熱く感じたのはなんだったんだろう……(そのくらい映像がすごかったってのはあるかも)
本当に戦争なんてなくなれ、平和であってほしい……


ノーラン作品だから絶対に観たいっていうのはあったんだけど、作品の内容的に日本での公開はないかも…ってなってて。それでもやっぱり映画館でこの作品を観れたっていうのは大きかったなって思いました!
配給に漕ぎ着けてくれて本当に感謝しかないです🥲
おしお

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