スーザファット

オッペンハイマーのスーザファットのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

学の無い残念脳なので予習動画でしっかり登場人物や歴史背景などを補完して鑑賞。
予習しといて良かった…置いてけぼり喰らうところだった…

登場人物が多いだけじゃなく時系列も前後して展開していくため引き込まれつつ取りこぼさないように必死にオッピーの激動の一幕を体験しました。

感想を考えてもまとまらなくて、むしろそんな簡単にまとまることじゃなくて
この作品が投げかけてきたメッセージに、問いかけに、これからも頭の片隅を占領されてしまうなという余韻が強く残りました。

作品としてはさすがの構成、音楽。
圧倒的に会話劇なのに劇場で観るべき作品と推さずにはいられない。
そして端役までも見逃せない豪華キャスティングの数々。眼福だった…
ただ作品にのめり込み過ぎてストローズが憎過ぎてロバート・ダウニー・Jrだってことを終盤になるまで気付いてなかった…笑

この作品はオッピーをはじめとしてほとんどの人物が単純な主義思想や人間性で語れない二面性を持って描かれていたと思う。

原爆の父と言われる彼が実験が下手で鬱鬱とした時期を過ごし奇行に走り、口が上手く人心の掌握に長けながら生涯を通して性にだらしが無い。
学者として渇望した成功と栄光につきまとう永遠の葛藤。

彼を裁かんとする動向にそれぞれの思惑と誇りが見えたとき、ある場面では憤りを覚えある場面では涙が出てしまった。
奥さんのキティかっこ良過ぎた。夫の不貞や恥辱を跳ね除けて120%無敵状態の質疑応答男前過ぎる。
ラミ・マレックが演じてた科学者が原爆使用反対の署名書弾かれて良い気してなかっただろうに、ちゃんとストローズの画策を糾弾するところ、うおおおってなるよなぁ🥲


この作品を通してあの描写が足りないとか日本人としてとか、そういう類のことを言うつもりは無くて
この一人の人生と語られた史実に対してこれから生きる道程をどう思うかが大事だと思いました。

人間が思想を持ち生きる以上そこに紛れも無く悪は存在する。
そう思わずにはいられない。

やっぱりうまくまとまらないですね。笑
映画体験として非常に良かったです😌