しゅんろっく

オッペンハイマーのしゅんろっくのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.5
木場109シネマにてIMAXで鑑賞。以下の理由で、あまりぴんとこなかった。
1. ノーラン作品にしては、主題が単純過ぎではないか。戦勝国の白人監督が作った大作で、これだけ核兵器使用を真っ向から批判した映画が初めてなのかもしれないが、もう少しこねくり回して欲しかった。「博士の異常な愛情・・・・」までのユーモアは難しいとしても、何か他にやりようがあったのではないか。
2. 主題が単純なわりに、構造が無駄に複雑過ぎると感じた。せめてカラーのパートだけでも、年代がわかるテキストを付けてもよかったのでは。髪の薄さとか白髪の多さで観る側に理解させようとすることは、作品のコンセプトとは全く関係がないのでは。
3. 名優ばかりなのでアップも画にはなりますが、IMAXでほとんどが会話劇の映画を3時間近く見せられる意味が、あまりよくわからなかった。もちろん実験のパートは、IMAXでしか得られない恐怖体験であったが。前半のオッピーの脳内映像も、少々チープな印象。

宇野維正氏が言及していたように、キューブリック同様、ノーラン作品には所謂「名画」的な良さは求めていない。だからこそ、もう少し狂った「オッペンハイマー」を期待していたけど、うまくまとまっていて食傷気味。

「TENET」の方が全然好きだった。