オッペンハイマーとは何者であったのか。
原爆、大量破壊兵器、科学とは何であったのか、そして如何あるべきか。
責任、呵責、計画の成功、ヒューマニズムの帰結。
つまりは優しさの表裏=自己都合、弁護と最重要事項(=戦争の終結、及び自国民の救出、全人類への最小公約数的被害)の天秤。
ジーンへの態度がオッペンハイマーであり、
理性的な倫理が常識的倫理を越えている。
ヴィヌシュはヒンドゥー教の三神一体においては維持神だが、太陽の神であり、悪魔を滅する神だ。
そういう意味ではプロメテウスと≒ではある。
オッペンハイマーだけを責めることは出来ない。
戦争の根源的起因ではなく、終結の手段を生み出す為に動いた歯車でしかない。
鬼畜米英思想が薄まった現代では、日本人でもこの映画を拍手することが出来る。
それはオッペンハイマーの思想が一助になっているということを忘れてはならない。
とはいえ、米国が勝手に思って勝手に叫んでいるだけの事。
と鵜呑みにしないリアリズムも多少は必要か。
ある意味、オッペンハイマーこそが多大にアメリカ的で、DVの精神性の権化のようだ。
と言っても言い過ぎではないように思う。
何にせよ、この映画は今後何十年も擦られ続けるだろう。
科学はイメージ。
数式はスコア。
音楽は聴けるか?
僕たちはどうだろう。