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オッペンハイマーのilのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.3

オッペンハイマーとは何者であったのか。
原爆、大量破壊兵器、科学とは何であったのか、そして如何あるべきか。

責任、呵責、計画の成功、ヒューマニズムの帰結。

つまりは優しさの表裏=自己都合、弁護と最重要事項(=戦争の終結、及び自国民の救出、全人類への最小公約数的被害)の天秤。

ジーンへの態度がオッペンハイマーであり、
理性的な倫理が常識的倫理を越えている。

ヴィヌシュはヒンドゥー教の三神一体においては維持神だが、太陽の神であり、悪魔を滅する神だ。

そういう意味ではプロメテウスと≒ではある。

オッペンハイマーだけを責めることは出来ない。

戦争の根源的起因ではなく、終結の手段を生み出す為に動いた歯車でしかない。

鬼畜米英思想が薄まった現代では、日本人でもこの映画を拍手することが出来る。

それはオッペンハイマーの思想が一助になっているということを忘れてはならない。

とはいえ、米国が勝手に思って勝手に叫んでいるだけの事。

と鵜呑みにしないリアリズムも多少は必要か。

ある意味、オッペンハイマーこそが多大にアメリカ的で、DVの精神性の権化のようだ。
と言っても言い過ぎではないように思う。

何にせよ、この映画は今後何十年も擦られ続けるだろう。

科学はイメージ。
数式はスコア。

音楽は聴けるか?

僕たちはどうだろう。
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