下馬評通り、第96回米アカデミー賞7部門を獲得。正直、日本での公開は難しいかと思っていた。決して楽しめるような作品では無いし（特に我々日本人にとっては）とにかく登場人物と情報量がもの凄く多くて、時系列が複雑に入り組んでいるので迷子になりそうになる。観る前にある程度の知識を入れておいた方が良い。
原爆投下などの直接的な描写は無いが、台詞の中に「ジャパン」「ヒロシマ」「ナガサキ」という言葉が使われていただけで辛くて涙が出そうになった。実験のシーンよりも、原爆を落とした後に歓喜と熱狂でオッペンハイマーを迎える米国民の姿を悪夢として描いていたシーンの方が印象に残っている。
クリストファー・ノーラン監督が反核の思いを込めていることは明らかで、それが唯一の救いだ。
