今月初旬に鑑賞したけれど。作品としてはたぶんよくできているのだと思うけれど日本人としてはやはり複雑な感情があってうまく感想がまとまらず。
自らの知識の結晶としての原爆を喜んでしまったオッペンハイマーの苦悩とは裏腹に、原爆だけでなく水爆への道を進もうとしたアメリカという国の中では広島も長崎も単なる記号のようなものだったのかと思ってしまった。愚かしさや虚しさが先にたち、オッペンハイマーが赤狩りによって追い詰められていく様にはあまり気持ちが乗らずぼんやりと眺めるばかりだった。
この作品を映画として観るための客観性が私には足りなかったのだと思う。