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オッペンハイマーのペインのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.1
『インターステラー』撮影時、カメラマンのホイテ・ヴァン・ホイテマに勧められたというタルコフスキー『鏡』オマージュ(※エミリー・ブラントの振り返り!)や、『ツリー・オブ・ライフ』的語り(※ず~っと壮大なバカでか音楽が鳴りっぱなし!)における、フルIMAXシーンは流石にブチ上がる。

あとノーランが、
“映画の映像とはこうあるべきだ”と惜しみない称賛を贈るポール・トーマス・アンダーソン監督の傑作『ザ・マスター』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』や、盟友ドゥニ・ヴィルヌーヴの『メッセージ』(※すなわちゼメキス『コンタクト』)辺りのエッセンスも非常に濃厚であった⬅️

ヴィルヌーヴ、ノーラン、ポール・トーマス・アンダーソン辺りは、同じような映画を観て同じように接種してきたんだろうな~というのを感じられる同世代感がある✏️

ノーランは、前2作『テネット』『ダンケルク』は、実験性は非常に高く、やりたい試みはわかるのだが…といった感じで、いまいち気持ち良くノリきれなかったが、今回はその試みの手法と題材が良い塩梅に巧く合致し、“落ち着いた”感がある。故に“アカデミー作品賞”にも今回は異論がない(※前回はお察し…🙇笑)。

個人的にはだけれど、アカデミー作品賞というものは、誰もが納得出来る“そこに落ち着いた”感があるものに“取っておいて”欲しいと思っている(※近年でいうと『コーダ あいのうた』とか)。

多感な時期にリアルタイムで観ていて、“同時代感”が強かった『ダークナイト』『インセプション』『インターステラー』辺りまでが思い出補正もあり、最も印象深く残ってはいるけれど、それも今観返してみたらどうなんだろうか?🤔と気になっている。

上記これらの作品に出演していたキリアン・マーフィーが、今回ノーラン映画で遂に単独主演になったのも感慨深いし、ダウニーJr.も皮肉にもといってはあれだけれど、アカデミー賞でのマイナスイメージが本作の役どころに、より説得力をもたらしていた😂

ただ個人的には、エミリー・ブラント(『ボーダーライン』での彼女も素晴らしいが!)のキャラクターが非常に立っていて、立ち回りも非常に良く、アカデミーあげても良かったのではという感じ←

とはいえ有名俳優勢揃いで、顔見世興行感も高く、総じて凄く楽しい映画体験であった。
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