面白かったが正直長かった。遠慮なく言語化してしまうと、変なところがクドくて肝心なところが抜け落ちていたように思う。
カントクらしい時系列ミキシングは、当作では控えめなものの、その効果は両刃の剣。
スキャンダラスな要素を孕みながらもリーダーシップ溢れる優秀な科学者:オッペンハイマーの成功と凋落の物語。
「マンハッタン計画」というプロジェクトX、赤狩り、そして陰に身を潜める敵対者。
公僕として結果を出し貢献したのに公に叩かれてしまうその姿は、ノーランがダークナイト3部作で描き出したバットマンに通ずる。バットマン同様に決して孤独ではないが、身近に寄り添ってくれる人はむしろバットマンより多いかもしれない。
単純な勧善懲悪ではなく、一人の人間に同居する善性と悪性、そしてスーパーパワー。モラルって何だろう。
ヒーローものとは異質なスーパーパワー。
原子爆弾
水素爆弾
セキュリティ・クリアランス
権威
権力、ポジション
科学と並走するファンタジー
プロメテウス@ギリシャ神話
クリシュナ@バガヴァッド・ギーター
実験物理学と理論物理学。
右とか左とかイデオロギーで区別、差別して、自国にとって不利益だのスパイだのと糾弾する実にイヤらしい思想🤮
脇にも豪華な役者陣。
ケネス・ブラナー
ジョシュ・ハートネット🥰
デイン・デハーン
マシュー・モディーン
マティアス・シュヴァイクホファー🥰
ケイシー・アフレック
デヴィッド・ダストマルチャン🥰
オールデン・エアエンライク🥰
ラミ・マレック
ゲイリー・オールドマン
主人公のオッピーを演じたのはキリアン・マーフィー。素晴らしい演技だったけど・・・オッピーご本人は如何にも女性にもてはやされそうなシュッとしたイケメンなんだよなあ。是非ドキュメンタリー作品や画像検索でご確認を(Wikiに載ってる画像はイマイチ😅)。
当作を観てあちこち腑に落ちないところがあり、オッピーの生い立ちやストローズ(演じたRDJも素晴らしかった👍)との人間関係をもっと知りたいと思った。
※あのプロローグはいきなり過ぎるし、ストローズとの絡みは物足りない。
◆ドイツよりも先に(開発競争)
↓
◆日本を降伏させろ(最終兵器)
↓
◆ソ連に気を付けろ(戦力均衡の鍵)
その時その時のターゲットによって国策が変わるのは世の常だが・・・これがアメリカという国の個性(臨機応変さ)であり、狂気(病)なのかもしれない。
スッキリできない3時間。
鑑賞中に感じ、そして鑑賞後にもしっかり尾を引くドヨーンとした感覚。
作品で描かれる当時のアメリカを観ながら、当時の日本を強く意識した。
あ、そうそう、僕も当作で描かれたロスアラモスを観て、ウェス・アンダーソン監督作『アステロイド・シティ』を想起した。