鑑賞直後はぼんやりした印象だったのだが、森達也氏の解説を読んだりBlackHoleの特集動画を観たりして、やっとこさ映画の輪郭が理解できた気がする。(プロメテウスの火を”非常に弱い人間”が作っていたという恐ろしさ。本来そうあるべきでない人をその境地に至らしむ戦争の悲惨。)
音楽が常に鳴りっぱなしであるという点を色々な人が指摘していたが、まったく気づけなかった。単純に自分が鈍感だからか、それとも音楽をあまりノイズに感じなかったからだろうか?物語を追いかけるのに必死で他の要素に目を向ける余裕がなかったのかもしれない。
一つだけ疑問として残るのは、オッペンハイマーが原爆の爆破テストを行うシーンで、マット・デイモンがオッペンハイマーに対して「世界を終わらせるなよ。」というセリフを言うのだが、あれは冗談とか皮肉で言っていたのだろうか?
原爆を科学者に作らせた張本人が言うことだろうか?冗談以外では成り立たないセリフだが、マットデイモンのセリフの言い方や表情があまり冗談めかした感じではなかったのが非常に気になった。