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オッペンハイマーのEndoのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
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超話題作でいつか見に行こうと思っていたが上演時間が長くなかなかタイミングを見つけられずにいた
見終わってみると200分の拘束があったとはとても思えない観後感
解説動画系見てると多くの人が「登場人物が多く構成が複雑だから先に解説見ないと全然分からない」とか言っていた。日頃から絶望的に人の顔が覚えられず、外人なんて全員同じに見える感覚で生きてる私には他の映画とさほど変わらず観ることができた。
IMAX用に撮られているらしく、途中途中で圧倒的フルスクリーンになるのが気持ち良すぎてたまらなかった。みんな池袋のクソデカIMAXで見るべき。
「量子力学!理論物理学!ブラックホール理論まで出てきた、うひょー!」って観てたけど、たいていの人が策略陰謀の交錯を楽しむものとして観ていて、あれ?この見方ずれてる?ってなった。
所謂当事者及び関係者が広島長崎のシーンがないことにぶーすか言っているのを見たが、かなり御門違いな行為だなと思う。広島長崎の被害者追悼として作られた作品ならまだしも、そうじゃないものに「原爆を取り扱う作品→広島長崎についてしっかり言及すべき」は暴論すぎる。被害者のことについて考えるのは大切だが、「私は被害者です!かわいそうでしょ??かわいそうな私たちについてちゃんと描きなさい!!」っていう姿勢が無理すぎる。
原爆開発を止めず原爆投下反対に署名しなかったことにキレてる人も何人か見たが「オッペンハイマーが開発を止めたとて、第二のオッペンハイマーが開発するだけやろ。一億総突撃のあの頃の日本を黙らせるのは絶望的なまでの暴力でしかないだろ。関東大空襲とかには全然なにも言わないくせに原爆にだけあーだこーだいうのも気持ち悪い」という感情。
こういう議論が生まれることもある種のこの作品の醍醐味なのだろう。

たしかに多少複雑だが、その複雑さを感じながら脳ミソぶん回してみることこそがこの映画の面白さだと思う
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