あか

オッペンハイマーのあかのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.0
オッペンハイマーさんを、テラーくんのセリフ「もう科学屋じゃなくて政治屋だろ」が現してた。科学の知識などはもちろんあるけれど、それ以上に適材適所に人を配置して、まとめあげる能力が段違いだったのかな。女性関係はだらしなすぎるけど。
フローレンスピューの不機嫌顔はサイコーだな。ノーラン監督にしては珍しく、あからさまに性的なシーンが多く感じた。
ノーランは影のある女性に惹かれるのかな。育児ノイローゼになってしまった(最初から子供が苦手だったのかな…)キティが振り返った顔の陰影、本当に怖かった。
裏切ったかつての部下が握手を求めても、目力で圧倒させる胆力よ。
酷薄そうなデインデハーン、イギリス人だと思ってた。隣の教室のローレンス先生、ヘタリアのアメリカじゃん!マットデイモンの荒っぽい軍人も良かった。
ゲイリー、チャーチルやったのに今度はトルーマン!人の良さそうな顔で「弱虫を二度と連れてくるな」と。
ダウニーはアカデミー賞で最悪な振る舞いをしたけど、演技は素晴らしい。温和そうなストローズ、どんどん感情がむき出しになっていく様は唸っちゃう。
自分が日本人だから、分厚いフィルターがかかった状態で観てしまう。降伏することがわかっていた上で、戦後のソ連、共産主義を見据えて、力を見せつけるために実験を進め、広島・長崎に原爆を落とした。炭化した遺体と皮膚がめくれる女性がチラッと映るけど、本当はもっともっと残酷なことが起こった。でも多くの人に観てもらうにはこの表現が限界なのかな。
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