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オッペンハイマーの320のレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.0
240425

原爆の父 オッペンハイマーが
原爆を作るまでの伝記映画かと
思っていたが、
その後のスパイ疑惑から追放、
そして名誉回復までの映画であった。

ドイツ、ソ連が
より強い兵器(原爆)を作る。
仮想敵国の相手が作るからアメリカが作る。
またはその逆。
そして誰でも作ったら使う。
使った後は、使った後で考える。
初めての成果物が爆弾であっただけで、
その後の世界は
戦争でも日常でも核が必要な世界。
いつでも一長一短。

真相はどうか分からないが、
映画では、オッペンハイマーは、
名誉を回復されるべき人物として
描かれている。
権力敵、政治的な点から
相対した相手と握手が出来る人物、
科学者として。

爆弾として使われた後の
オッペンハイマーの抱える苦悩の少しを
原爆が使われた国の人として、
身近に、畏怖の念を持って、
感じているような気がする。
一長一短の大きすぎる「短」として。

日本人の私は、
戦争・原爆の核は、
悲惨な怖さとして染み込んでいる。
はだしのゲンの皮膚が垂れ下がって
徘徊する人の様が実際にあったのだと。
他の日常で使われる核は、
日常に必要なモノとして、
不便として感じている。
電車代が高すぎると。
車の事故があるから、
車の使用を停止するのか?と。

原爆を落とされていない
それを抑止力として認識している国と、
原発が壊れていない国は、
どんな風にこの映画を観るのだろう?
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