ユウジ02

オッペンハイマーのユウジ02のネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

オッペンハイマーを映画館で鑑賞。
3時間に及ぶ大作。
日本人として、原子力爆弾を落とされた国に生きる国民として、観ておきたかった。結果として、この原爆の父を責める気は全く起きず、かと言って凄い人物だと称賛する気もさらさら無く、ただ戦争を終わらせる為の一手として原爆を日本に落とすというアメリカの策略に利用された駒の一つに過ぎなかったんだなと認識。アインシュタインは祖国に反対し、追われる身に。オッペンハイマーは祖国に従った結果、戦争に加担する側に。2人の立ち位置がコントラストに描かれていた。ただ今の世界を作ったのは、原子力爆弾を作ったからと仮定するのなら、間違いなくオッペンハイマーは旧世界を破壊して新たな世界を創り上げたといっても過言じゃないと感じた。核を持ってる国が世界を支配する、、、が、そんな支配者にテロという行為で恐怖をもたらし、永遠に戦争が終わらない世界。

日本は、原爆被爆国になっても尚、アメリカを支持し、戦争反対を訴えるという非常に稀有な国だなと思う。オッペンハイマーがこの世から生まれなければ、世界は平和のままだったかというと答えは間違いなくノーだが、今のところ原爆に勝る兵器はないという観点から、オッペンハイマーという善良な市民が世界を支配したという歴史的事実は映画にしなければらないし、アカデミー賞総なめにしたのも納得できる。なかなか物議を醸す作品だと思うので、ノーランが監督で良かったと思う。間違ってもアメリカ万歳映画にしたら、世界中からバッシングを受けていたと思う。

あと、リベラル主義は場合によっては危険人物と捉えられてしまうことも理解した。これも難しい問題だけど。
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