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オッペンハイマーのdm16のレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.7
難しかった………
この映画は原子爆弾開発ストーリーではなく、オッペンハイマーの一生に焦点が当たっていたので、開発成功だけでなくその後の公職追放まで描かれていたのだが、それがもう本当に(知識不足と登場人物多すぎなのと時系列の錯綜により)ついていけなかった…

とはいえ、音楽と映像は流石。
実験成功のシーンで光が届いた後に爆風が追ってくる描写は本当に鳥肌が立った。
と同時に、やはり「日本」という言葉が出て来た途端に現実に引き戻されたのもまた事実。
敗戦間近の日本を降伏させるのに原子爆弾を落とす必要はなかっただろうに、戦争を終わらせるため、最恐の抑止力を見せるため日本に向けて原子爆弾が落とされた経緯は日本人の私にとって素直に受け入れられる物ではなかった。

けれど、オッペンハイマーを憎む気にもなれなかった。
彼の目的は多くの人間を殺す原子爆弾を作ることではなく、物理学者として理論の検証を行いたかったに過ぎない。
その道を突き詰めるうちに、(彼が優秀すぎた故に)結果的に原子爆弾が生み出され、そして使われてしまった、と感じた。

いつの世も、科学の発展には戦争の影がつきまとう。
原子爆弾が存在する前と後で世界は変わり、オッペンハイマーは紛れもなく世界を変えた男になった。
日本人としては、核兵器が二度と使用されないことを願うばかり…
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