やっと観れた。日本で公開されるからには絶対に劇場で観なければいけないと思っていた。
原子爆弾が作られるまでの話かと思っていたが、戦後彼が負った自らの創造物に対する責任や戦時下における科学と政治の関係についてもじっくり描かれていた。実際にその創造物が使われるとき、それを生み出した科学者にはもはや出る幕はないのか。
宇宙や星などの美しい映像表現が、彼がいかに物理学に魅了されていたかということに説得力を持たせていた。
日本人として生まれ育ち、原子爆弾について日本で教育を受けた私は、この爆弾が我々の先祖の頭上で爆発したという史実が鑑賞中ずっと頭にあった。実験が成功し、あの真っ白で強烈な閃光とニューメキシコの砂漠の空にのぼるキノコ雲を見たときは絶望感が凄かった。彼らの喜びを爆発させている映像とは対照的な感情だった。
