★いろいろな立場の人の気持ちに思いを馳せ、哀しくなる映画★
原爆の父と言われるロバート・オッペンハイマーを描いた作品。
日本公開はずっと見送られていましたが、アメリカ視点からのWWIIを観るというのは意味あるように思えました。
被爆国の様子が描かれないことも、アメリカ視点でのリアルなのかな、と。
原爆が完成し喜んでいるシーンにも、
オッペンハイマーの意思とは関係なく原爆が使用されるシーンにも、
大統領トルーマンの言葉にも、
胸が痛くなったし、虚しさと哀しさが溢れました。
ジブリの「風立ちぬ」を観た時も思いましたが、兵器を作った研究者が悪いのかと聞かれると答えられないし、
原爆が完成するまでではなく、その後のオッペンハイマーの葛藤や処遇もきちんと描かれていたのは良かったなと思いました。
映画自体はクリストファー・ノーラン監督らしく時代が行き来するので、集中していないとわかりにくいし、
背景知識がないとよりわかりにくいかも。
好きかと聞かれてもいい映画かと聞かれても答えに悩みますが、考えるきっかけになり、観てよかったな、と思えた映画です。