なざ

オッペンハイマーのなざのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.5
実際の広島長崎のシーンが描かれないなんてとたくさんの日本人の意見を目にしたけれど、それで完成していた映画だったよ

トリニティ実験のシーン
今まで瓦礫の写真や絵本、映像から学んできたあの8月は自分の想像力の範疇でしかイメージができてなかったのだけれど、「本物を見せられた」という気持ちになった。実験のシーンだけれど、命が燃えていた。

あのシーンをこんな感情で見つめるのは結局のところ私たち日本人だけなんじゃないかと思う…
日本で上映された意味の大きさを噛み締めた…

この映画の主軸はその後の裁判だとか、会話劇のところなのは分かりつつも、やっぱり日本人として、あの地獄が生み出された経緯にフォーカスしちゃうよね…
正当化も擁護も全くできないけど、納得できるものだった。あまりにも人間。これが人間なんだという悲しい納得だった。

私の人生、たまたま最初の一発はすでに終わって、「学び」になっていたけど、当時の当事者だったらやっぱり私も人間の一部として歴史の渦に巻かれているだけだったかもしれない。
せめて歴史の過ちを繰り返さないよう、今正しいと思うことを自分の頭で考えて実行していくしかないんだな結局

ノーランがこの作品撮ってくれて良かったな
なざ

なざ