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オッペンハイマーのdiesixxのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
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原爆の父と呼ばれたオッペンハイマーの伝記もの。カラーでやや長めの時間軸で描く核分裂パート(主観視点)とモノクロで少し短めの時間軸の核融合パート(客観視点)でオッペンハイマーの実像を多面的に浮かび上がらせる。ノーランが持てるテクニックとシグネチャーを駆使して、映画史に残る傑作を撮ってやろういう気迫と執念を感じる。で、実際に傑作に仕上がった。
オッペンハイマーの罪はどのように測られ、裁かれるべきだろうか。ヒロシマ・ナガサキは人類史上最大の無差別大量虐殺で、何万人もの人生を蹂躙してしまった。いまも放射線被害に遺伝子を傷つけられている人もいる。核兵器の登場で世界も取り返しのつかないことになった。
たぶんオッペンハイマーがいなくで誰かが、核兵器は作っていた。でもね、映画を見ながら、核と核大国を憎み、呪いながら死んでいった素朴で優しい被爆者の人たちを思い出していた。彼らはこの映画を見て、なんというだろう。
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