ノーラン監督作品のファンとして、そして鑑賞後のテンションママで書き殴る。多分すごくキモいと思う。
鑑賞直後、正直ノーランが撮らなくても良かったのでは?という気持ちと、ノーランだからこその完成度だ!という気持ちが交錯した。
心情描写が苦手とされる彼がこの題材を扱ったことに無理があった?ただ時系列クロスさせてノーランみ出しただけ?
ちがう、いつも観た時に感じる高揚感、脳の中でシナプスが弾けるような爽快感がない。彼の作品はどんなに難解でもダウナーでも、しっかりエンターテイメントだ。
しかしオッペンハイマーは私にとって単純に「めっちゃ重い」作品だったんだ。いつものノーラン節を心のどこかで期待して見にいってしまったがための肩透かしを食らったんだ。
そして重い作品と感じたということは、ノーランが意図したであろう、一人の科学者の揺れ動く心情をどっぷりと追体験できたと言うこと。ああ、まんまとやられてたのか私。圧倒されてたんだ。
日本人にとっての原爆題材は、センシティブであり、しかも日本の惨事が描かれていないとか何とかで、配給会社が手を挙げづらかったと聞くが、勇気あるビターズエンドさん、ありがとうございます!
そしてその点においては、確かに映像として日本の被害が描かれてはいなかったが、その恐怖と残忍さはしっかりと伝わってきた。でないとこんなに重い気持ちにならなかっただろう。
ただ一つ、強く思ったのは「ほかの監督のオッペンハイマーも観てみたい」ということ。ノーランならではの伝記に痺れたが、他者のフィルターにはどう写るのか、どこをどうクローズアップしていくのか、とても興味がある。そして8月の金曜ロードショーで毎年放映してほしい。「火垂るの墓」が復活するなら、それでもいいけど。エンターテイメントを通じてでも、このことは日本人として心に深く刻まなければならない。
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文字にしたところで少し気持ちに整理がついたものの、重い気持ちに覆われてかき消される前に小ネタ的感想も書いておく。
・科学者はオタク。序盤、オタクがオタク然として嬉々と理論を語り始めるそのピュアさ、可愛さよ。
・ロバート・ダウニー・Jrは、嫌な奴やらせたら最高。まじで嫌な奴。
・豪華キャスト陣、役作りかもしれないけど、歳とって恰幅も良くなって、最初だれかわからなかった人多し。ラミマレックだけはめっちゃラミマレックだったので、やっぱり歳のせい?いや私が歳なのか(昔の記憶が勝っている)
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さぁ、広大なネットの海へ、ネタバレ批評漁りにいこ!やっっっと読める!