原爆の父と呼ばれる、原爆の製造責任者であり、物理学者であるオッペンハイマー。
世界を破壊する兵器を作ることで、戦争の罪深さに加担し、政治の陰湿さに飲み込まれていく。
人間としての不完全さ、科学者としての業の深さをもっているとはいえ、重すぎる罪の意識と責任を背負うことになった彼は、とても苦しかっただろう。
いろいろと考えさせられる。そういやジブリの「風立ちぬ」を見た時も似たようなことを考えた気がする。
外国人の顔と名前が判別できなくて誰が誰だか最後までよくわからなかったのが悲しい。でも、こういう政治的でセンシティブな題材を、端折りすぎては?と思わせることもなく、でもテンポはよく、飽きさせないような映画にしてしまうのはすごいなと。
何かの記事に書いてあったけど、アカデミー賞で「オッペンハイマー」は原爆、国際長編映画賞の「関心領域」はホロコーストと、同じ年に第二次世界大戦の残酷さを象徴的する題材が選ばれているのは興味深い。