オッペンハイマーのマーシーのレビュー・感想・評価

オッペンハイマーの生涯を、前半マンハッタン計画、後半オッペンハイマー事件の2部構成で綴る濃密な3時間。時間と視点を複雑に交差させる演出は、物語の帰結に最大の効果を発揮し、ノーラン作品の中でも完成度の際立つ作品でした。
地獄へと突き進むマンハッタン計画パートの熱量も素晴らしいですが、この映画の本題である後半に転じる温度差のドラマティックな演出、役者勢の弁論、特に妻キティを演じるエミリーブラントには心揺さぶられるものがありました。難しい題材を、想いを込めて作ってくれたノーランに感謝です。