半変人のお調子者

オッペンハイマーの半変人のお調子者のレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.7
原子爆弾を作り、世界のあり方を大きく変えてしまった、オッペンハイマー博士の半生を描く…

自分の作ったものが、大量に人を殺し、更に世界のあり方を根本から変えてしまったという事実に対する良心の呵責に苦しむオッペンハイマー、日本人としてはあまり感情移入できないんだけど、どこで間違えたんだろうなぁと複雑な気持ちになった。

原爆投下の報告を受けた後の場面はもはやホラーだった。あの足音が頭から離れない。

観る前から時系列が複雑だって話をよく聞いてたから構えてたけど、観てみたら、時系列をいじくってはいるけど、まだ観やすく作ってあると感じた。

にしても、ストローズの陰湿さには目を見張るものがある。
ちょっと馬鹿にされたくらいで、あらゆる手を使ってオッペンハイマーの科学者人生を終わらせようとする。オッペンハイマーに同情するわけじゃないけど、ここまで陰湿な目を遭ってる所を見てると流石に可哀想になってくる。
もう打つ手無しのオッペンハイマー。そこに現れる救世主ラミ・マレック!少し前の場面に彼がいたのはそういう事だったのか…

あと、なんといっても凄いのがフローレンス・ピュー。決して出番多くないのに、めちゃくちゃ印象に残る。

公聴会でキティが見る幻想のジーンには嘘でしょ!?と驚愕した。彼女もキリアン・マーフィーもあの場で素っ裸になって演技して、凄いなと思った。

映画評価基準

この映画が好きか 9
没入感 10
脚本 9
演出 10
映像 9
キャスト 10
音楽 9
余韻 10
おすすめ度 9
何度も観たくなるか 9

計94点