りつぽ

オッペンハイマーのりつぽのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
5.0
駆け込みでIMAX鑑賞。
クリストファーノーランの作品は全て観ているけど、TENETが難解すぎて心折れてかけていた。
ただ、今回はわりと展開に追いつけて話に入り込めた(もちろん歴史的•科学的な知識はほとんどないし、人物が多すぎるので、もっと学んでもう一度観たらより解像度高くなると思う)

オッペンハイマーという物理学者の苦悩、と一口では語れない視覚的、時系列的なノーラン演出はやっぱり映画作品として素晴らしい。その演出に多少慣れてきたから今回は見やすかったのかも。

やっぱり日本人として観たとき、トリニティ実験のシーン、原爆投下後のロスアラモスの人々の狂乱はオッペンハイマーへの感情移入とは全く別な部分で、きついものがあった。
被曝者の現実が描かれないところに批判があるというが、あのトリニティ実験のきのこ雲、光と音が伝えるものは確実にある。
決して「原爆の父」を美化するものではないと感じたけどどうだろうか。
正直鑑賞前は多少不安もあったけど、映画を観たあとだと、バーベンハイマーをネットミームとして消費できる感覚は、真摯な映画鑑賞者でないとさえ思う。

俳優陣にも言及したくて、キリアン•マーフィー、エミリー•ブラント、ロバート•ダウニーJr、フローレンスピュー、マット•デイモン、ジョシュ•ハートネット....書ききれないほどの名優揃いに加えてゲイリー•オールドマンも嬉しいサプライズだったけど、何よりデヴィッド•クラムホルツに途中で気づいてばちぼこに驚いたという話。(米ドラマNUMBERSのファン)
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